ユダヤ人はヨーロッパで差別されていたという話をよく聞きます。ナチスによるユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)はあまりにも有名です。
ナチスは人々のユダヤ人への差別意識を利用しましたが、元々ユダヤ人を差別する風潮が当時のヨーロッパにはありました。
ヨーロッパの文化に疎い我々日本人にはよくわからない感覚かもしれません。
ちなみにユダヤ系の人には成功者や偉人が多いです。
相対性理論を著した天才物理学者のアルベルト・アインシュタインや世界的映画監督のスティーブン・スピルバーグ、Facebookを作ったマーク・ザッカーバーグなど例をあげればきりがありません。
そんな優秀なユダヤ人はなぜ差別されたのか。
ユダヤ人差別について調べてみました。
そもそもの発端はイエス・キリスト?
ユダヤ人が嫌われる理由の一つとして、ユダヤ人がイエス・キリストを死に追いやったと考える人が多いことがあげられます。
イエスが生きていた当時のイスラエルはローマの属州でした。聖書によると、属州総督・ピラトに、ユダヤ人はイエスを告発し、十字架にかけさせたとされています。イエス自身もユダヤ人ですが、それ以上にキリスト信者には「ユダヤ人に殺された」という思いが強いのでしょう。
ヨーロッパはキリスト教文化です。今はヨーロッパも日本も昔ほど宗教色は強くありませんが、昔は宗教が生活の中で大きな存在でした。今のアラブ諸国でイスラム教が大きな存在であることを考えると容易に想像できると思います。ヨーロッパのキリスト教も、人々の信仰が当たり前の時代が長く続きました。聖書の教えを読んでいるうち、ユダヤ人に虐げられるイエスの話を聞いて義憤に駆られる人も多かったかもしれません。
経済的理由が差別意識に拍車?
お金は汚いものと考える文化は日本にもあります。あまり「カネ、カネ」というのは上品なことではありません。
キリスト教にも似た考え方がされます。金持ちが天国に行くのは難しいとも言われますね(ラクダが針の穴を通るより難しいとか)。
お金を貨して利子を取ることも「悪いこと」とされていました。日本でも友達にお金を貨して利子を要求されたらドン引きすると思います。友達やめるかな?
お金を貸しても良いことがありません。貸す側に何のメリットもありません。回収できないリスクだけ負います。なので普通の人はお金を人に貸しません。
社会にお金の貸し借り(金融)は必要です。
誰もやらない金融業をユダヤ人が担います。ユダヤ人は差別されていて、他の職業に就くことが難しいというのも理由の一つでした。
金融業は儲けます。ユダヤ人の専売状態なのでなおさら儲けます。借りた側はユダヤ人に取り立てられます。逆恨みする人もいたでしょう。
金融業は汚い職業の一つとして、ユダヤ人に押し付けておきながら、金持ちになるユダヤ人に対して嫉妬の炎に身を焦がす人も大勢いたことでしょう。
社会不安は差別に向かう
社会で不安が高まった時、デマや差別が横行します。
日本でも関東大震災が起きた時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という根拠のないデマが広まって、多くの朝鮮人が排斥されたそうです。
ドイツでは、第一次世界大戦以降、莫大な損害賠償やハイパーインフレーションなどで、市民の生活も困窮しました。
今も昔もまじめに働くユダヤ人には成功者が多いです。誰かが言いました。
「今我々がこんな惨めな生活を送っているのに、悠々自適に暮らしているやつらがいる。ユダヤ人だ!あいつらが陰謀をめぐらし、我々を苦しめているんだ!」
不安でいっぱいな人たちは攻撃対象が必要です。
差別をしている当人たちは「自分たちは悪者退治をするヒーローだ!」ぐらい考えていたかもしれません。
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