国会の採決は多数決で決定します。
もし採決で賛成と反対の数が同じになった場合、どうなるのでしょう?
衆議院の定員は465人です。
定員は奇数になっているので、一見、同数にはならなそうです。
しかし、実際には欠席議院がいたり、採決の際、賛否どちらにもいれず”棄権”する議員もいます。
賛否の数が同数になることはあり得るのです。
参議院の定員は248人です。最初から偶数。
参議院は、3年ごとに半分の124人が改選されるので、必然的に定員は偶数になってしまいます。
最初から偶数なので、当然のことながら採決が同数になることはありえます。
採決が同数の場合の扱いについては、日本国憲法に記載があります。
両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
日本国憲法第56条2項
つまり、賛否が同数となった場合、どうするかは最後に議長(衆議院議長・参議院議長)に決めてもらうということになります。
これを議長の「決裁権」というそうです。(参議院HP よくある質問)
なお、参議院で同数になったことは過去2度あるそうです。
2度目は2011年なので割と最近の出来事。
昭和50年(1975年)7月4日(第75回国会)の本会議で政治資金規正法改正案を採決したとき、賛成117票、反対117票で可否同数となったため、河野謙三議長が可としました。
平成23年(2011年)3月31日(第177回国会)の本会議で国民生活等の混乱を回避するための平成22年度における子ども手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案を採決したとき、賛成120票、反対120票で可否同数となったため、西岡武夫議長が可としました。
参議院HP よくある質問
衆議院では、戦前の帝国議会時代に何度かあったようですが、戦後は調べた範囲ではなさそうです。
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