趣味でドイツ語の勉強を始めました。
言語が違えば考え方が違う。ドイツ語の二人称(話し相手を指す言葉)を学んだことをきっかけに日本語の二人称についても考えてみました。
ドイツ語の二人称
ドイツ語では二人称、英語の”you”に当たる言葉は親しい相手に対する”du”と、丁寧な言い方の”Sie”の2つがあるそうです。
英語の”she/her”と”they/them”に当たる言葉も”sie”だそうです(”あなた”を表す時は常に大文字始まり)。
元々”sie”は三人称(「彼・彼女」など自分と相手以外の人)を指す言葉だそうですが、「相手を直接指したら失礼に当たるため、方角や人数をぼかして丁寧にしている」という考え方で、敬称の二人称として使われるようになったそうです。
日本語の二人称
日本語の二人称についても考えてみました。
日本語の二人称は、元々丁寧な言葉だったものの、時代が下るにつれてだんだん失礼なニュアンスに変わっていったものが多いですね。
おまえ
「おまえ」、漢字で書くと「御前」。
丁寧を表す「御」に方角を表す「前」、「ごぜん」とも読む言葉です。
「ごぜん」で使う場合、「〜御前」のように、大名の奥方様など名前を呼ぶのが恐れ多い高貴な方に対し、屋敷の名前などを付けて、「〜御前」のように使用されていたみたいです。
これがいつの間にか悪い言葉になりました。上司に使えばぶっ飛ばされるのでご注意下さい。
きみ
「きみ」、漢字で書くと「君」。上の者が下の者を指す時に使います。名前をつけて「〜君(くん)」のように使ったりしますね。
でも君主、自分の主人を指して使っていた言葉だよ!「我が君」とか。
これがいつの間にか悪い言葉になりました。上司に使えばぶっ飛ばされるのでご注意下さい(2回目)。
きさま
「きさま」、漢字で書くと「貴様」。「貴」という「貴い」言葉に「様」まで付けてどう考えても最上級の二人称!
私がこの漢字の意味を知った外国人なら「きっと相手を敬う丁寧な言葉に違いない」と信じて使うことでしょう。
「貴様は何を飲まれますか?」。怒って帰られるでしょう。
なぜか相手を最高に蔑んだ言葉!信じられない!
事実、昔は尊称として使われていたそうですよ。
これがいつの間にか悪い言葉になりました。上司に使えばぶっ飛ばされる・・・じゃ済まないですね(笑)。
日本は名前を呼ぶのも避ける文化(名前もダメ?)
日本は目上の人を名前で呼ぶことを避ける文化です。なので特定の相手を指す時は、官職名や役職名を使ったりしていました。
今の日本の会社でも、なぜか役職名で呼ぶけど名残でしょうか?
私は以前、「〇〇課長」が昇進して「〇〇部長」となった翌日に、「〇〇課長」と呼んで怒られたことがあります。会社を離れればただの人。会社の肩書きにすがるのも悲しい生き方ですね(涙)。
日本では敬称はだんだん侮蔑な意味を含むようになる傾向みたいです。
「じゃあどうすりゃいいのよ!」という気分になりますね。
だから主語を省く傾向が強いのでしょうか?
主語がないから動詞を変えて主語を明確化する?「申し上げる(主語自分)」「おっしゃる(主語自分以外」とか?
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