資金計画と6つの係数

FP

前回のFP記事で、ライフプランニングで使用する3つのツールが必要という話をしました。
3つのツール、すなわち、
・ライフイベントと必要な資金を時系列にまとめた「ライフイベント表」
・現在の収支状況をもとに、将来の収支状況や貯蓄残高を予想してまとめた「キャッシュフロー表」
・資産と負債のバランスがどうなっているかまとめた「個人バランスシート」
です。

今回は、資金計画で必要となる6つの係数を紹介したいと思います。

終価係数

終価係数は、「現在の金額を複利で運用した場合、一定期間後にいくらになるか?」を求める際に使用する係数です。

複利とは何でしょう?
複利は、利子が入るたびにその利子にも更に利子が加算されることです。

複利に対して単利があります。
単利で100万円を年10%で5年経過した場合、
(年10%は暴利ですが、計算をわかりやすくするためです^^;)
1年目:100万円x10%=10万円
2年目:100万円x10%=10万円
3年目:100万円x10%=10万円
4年目:100万円x10%=10万円
5年目:100万円x10%=10万円
累積合計:元手100万円+(10万円+10万円+10万円+10万円+10万円)=150万円
です。

これを複利で同じように100万円を年10%で5年経過した場合、
1年目:100万円x10%=10万円
2年目:110万円(前年の利子を含める)x10%=11万円
3年目:121万円(前年までの利子を含める)x10%=12.1万円
4年目:133.1万円(前年までの利子を含める)x10%=13.3万円
5年目:146.4万円(前年までの利子を含める)x10%=14.6万円
累積合計:元手100万円+(10万円+11万円+12.1万円+13.3万円+14.6万円)=161万円
です。

単利に対し、11万円多くなりました。
今回は5年で例示しましたが、複利は年数を重ねるごとに雪だるま式に大きくなるので、年数が伸びれば伸びるほど更なるパワーを発揮します!

上記のように計算しなくても、終価係数を使えばイチコロで計算できます!
FP試験では、係数表があるので、きちんと最終的な価格(”終価”)を求める、”終価係数”を使用するように注意しましょう!

現価係数

現価係数は、「一定期間後に、一定金額に達するためには、年利○%の場合にはどのぐらい元手が必要なのか?」を求める際に使用する係数です。

例えば、「5年後に100万円を用意するためには、年利2%で運用した場合、今いくら元手が必要なのか?」というと、
期間5年の年利2%の場合の現価係数は「0.9057」だそうなので、計算は、
100万円x0.9057=905,700円
と求められます。
今必要な金額(現価)は、「90万5,700円」となります。

求める金額に達するためには”現在の価格(現価)”はいくらかと考えて、”現価係数”を選ぶようにしましょう。

年金終価係数

年金終価係数は、「毎年一定金額を積み立てた時、一定期間後の元利合計はいくらか?」を求める際に使用する係数です。

例えば、「毎年20万円を5年間積み立てた場合、年利2%の場合いくらになるか」というと、
期間5年・年利2%の年金終価係数は、「5.204」だそうなので計算は、
20万円x5.204=1,040,800円
と求められます。
5年後には「104万800円」となります。

”年金”のように、一定金額を積み立てた時に、最終的な価格(”終価”)はいくらになるかは”年金終価係数”を選ぶようにしましょう。

減債基金係数

減債基金係数は、「一定期間後に一定金額を用意するためには、毎年いくら積み立てれば良いのか?」を計算する際に使用します。
先ほど紹介した年金終価係数の逆の流れですね。

例えば、「5年後に年利2%で運用して、100万円を用意するためには、毎年いくら積み立てればいいの?」というと、
期間5年・年利2%の時の減債基金係数は「0.1922」だそうなので計算は、
100万円x0.1922=192,200円
と求められます。
5年後に100万円用意するためには毎年「192,200円」積み立てる必要があることがわかります。

資本回収係数

資本回収係数は、「現在のある金額を一定の期間、運用を続けながら取り崩した場合、毎年の受取額はいくらになるか?」を計算する際に使用します。

例えば、「100万円を5年間で取り崩した場合、年利2%で運用しながらどのぐらい受け取れるの?」というと、
期間5年・年利2%の時の資本回収係数は「0.2122」だそうなので計算は、
100万円x0.2122=212,200円
と求められます。
毎年「21万2,200円」受け取れることがわかります。

現在の”資本”を”回収”するのに計算する係数、”資本回収係数”を選ぶようにしましょう。

年金現価係数

年金現価係数は、「一定の期間に一定の金額を受け取るためには、元本がいくら必要か?」を計算する際に使用します。

例えば、「5年間、毎年20万円ずつ受け取ることを、年利2%で運用しながら行った場合、必要な元本はいくら?」というと、
期間5年・年利2%の時の年金現価係数は「4.7135」だそうなので計算は、
100万円x4.7135=942,700円
と求められます。
今必要な元本は「94万2,700円」であることがわかります。

”年金”のように毎年一定金額を受け取るためには、現在の価格(”現価”)はいくら必要かを計算する係数”年金現価係数”を選ぶようにしましょう。

まとめ

お金の計画(資金計画)を立てる際、いろんなことを考える必要がありますが、係数を使用することで、計算が簡単にできるようになります。

・あるお金が一定期間後にいくらになるかを計算する”終価係数”
・あるお金を一定期間後に用意するのに必要な今の元手を計算する”現価係数”
・年金のように一定金額を積み立てたとき、一定期間後にいくらになるかを計算する”年金終価係数”
・あるお金を一定期間後に用意するのにいくら積み立てる必要があるかを計算する”減債基金係数”
・あるお金を取り崩して行った場合、いくらずつ受け取ることができるかを計算する”資本回収係数”
・年金のように一定の期間、一定の金額を受け取るためには今の元手はいくら必要かを計算する”年金現価係数”

以上6つの係数をまとめました。
お金の運用は計画的に進めていきましょう!

私が勉強に使用しているテキストは以下のシリーズです!

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