国会議員は江戸時代の藩主?

日本史

「今の国会議員って江戸時代の藩主と同じなんじゃない?」
我が故郷・広島から、我らが日本の総理・岸田文雄氏が選出された時、そんなことを思いました。

でも岸田氏は、選挙区は広島だが、広島で育ったわけでも、今現在広島に住んでいるわけでもない。
それって江戸時代の若様が江戸屋敷で育って、成人して親の跡を継いで大名となった後に初めて参勤交代で「お国入り」するのと一緒なんじゃない?

江戸時代の大名と現代の国会議員を比べて考えてみました。

江戸時代の大名

江戸時代の大名は、正室(本妻)と嫡子(跡取り息子)を人質として江戸に住まわされることを幕府から義務付けられていました。それぞれの大名は嫡子を、江戸の屋敷で育てなければなりませんでした。
大名は、参勤交代で自分の領地である「お国」と江戸を1年ごとに行き来することも義務付けられているが、江戸で生まれ育った嫡子は、成人後に親の跡を継いで大名となり、参勤交代で初めて「お国入り」することになります。
江戸で生まれ育った人が、成人後に家族を江戸に残して、いわば単身赴任でお国入りする状況を想像すると、江戸に来るときの方が「帰ってきた」という思いになるのではないだろうかと想像します。

現代の世襲議員

現代の世襲議員は東京での暮らしを昔の幕府のように、政府から義務付けられているわけではありません。しかし、東京を拠点に活動する国会議員は家族とともに東京に住むことが客観的に見ても合理的な判断なのではないでしょうか。一般庶民ですら東京に憧憬の念を持ち、地方を見下す風潮が強い現代日本にあっては、なおさら、あえて地方に住む世襲議員は少ないのではないでしょうか(世襲でなければ、生活の拠点が既に地元にあったりする人もいるだろうから、家族は地元に残るというケースも考えやすいですが)。

選挙活動中に選挙区に「お国入り」し、仕事は東京で行う国会議員、その姿は江戸時代の大名の姿と重なって見えます。それが世襲であれば尚更です。

もちろん江戸時代の大名も領国経営など、お国の仕事もあるでしょうが(国会議員の役割に知事の役割も足した感じかな?)。

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