ポジショントークから分断社会について考える

現代社会

とあるアメリカの大企業に勤めている方が書かれた本を読みました。
勤めている会社は、いわゆる”GAFAM”と言われる大企業だそうです。(つまり”Google (Alphabet)”、”Apple”、”Facebook(Meta)”、”Microsoft”の5社のいずれか)

著者がアメリカ国内で勤めている中で気づいたこと、日本で勤めていた時との違いなどを紹介していました。

「なるべく労力を使わずシンプルにしようぜ」、「なるべく情報量を減らしてシンプルに考えようぜ」というような考え方を紹介しており、そのあたりは非常に参考になりました。

また、「自分の環境では無理だ」と嘆くだけでは変わらないというようなこともおっしゃられており、その通りと思いました。

アメリカでは?本当に?

さて、私がこの本を読んで気になったのは、著者が自分の周りの環境を指して「アメリカでは」と言ってしまっていることについて。
私が感じたのは「著者はGAFAMに勤めているのかもしれませんが、本当にそれは「アメリカでは」と言えるような、一般的なことなの?」という疑問です。
GAFAMで当たり前のことでも、その他の大多数のアメリカ企業で異なるのであれば「アメリカでは」と言ってはいけないと思います。
例えばそれがMicrosoftなら「Microsoftではこうだ」と言うべきです。

私はアメリカ国内で働いた経験がないので、「アメリカでは」と言われると反論はできません。
でも本当に「アメリカでは」と言えることなのかな?

信じるか信じないかは私次第

読書では、信じるか信じないかは私次第です。
「アメリカでは納期が絶対ではない(遅れても良い)」と言われても、私は安易に信じません。
“GAFAM”ならそうなのかもしれませんね。(国でも会社でも、規模が大きい方が強いもの)

メディアの報じる情報でも、1社のみの情報に頼るのは危険なこと。
まして、(出版は会社でも)個人が執筆している1冊の本だけを信じるのは極めて危険。複数の情報源を得て、自分の頭で考えて判断する姿勢を大事にしたいと思います。

ポジショントークでは?

この本は2023年に出版されたもの。著者はアメリカで働くことを絶賛しています。
2025年現在に私が読んだ感想は以下のとおり。

「アメリカの分断は進んでいると聞きます。トンデモ大統領も再選され、現在(2025年)、現職大統領としてアメリカ内外を振り回しています。本当にアメリカで働くのは「最高!」なの?
“GAFAM”社内から見ると、そうなのかも。じゃあみんなで”GAFAM”に転職しますか?

それはとても難しいことでしょう!給料も良いのかもしれない、環境も良いのかもしれない。だって”GAFAM”だもの。でも超優秀な人が世界中から集まってくる超巨大企業。そこに就職できるのは、ほんの一握りの人だけでしょう。
それで「できない」というと、「やらないのは甘え」とか「誰でもできる」とか言うのでしょうが、それは少々乱暴な主張では?
なぜ著者はこんな意地悪なことを言うのでしょう?そうかこれがポジショントークというやつか!!」

著者は”GAFAM”に就職できた超優秀な人なのかもしれませんが、実際には、海外就職には高いハードルがあります。
それにもかかわらず、それを「甘え」と切り捨ててしまうのは、現実的な前提条件を無視した発言でしょう。

マウントするから社会が分断する?

アメリカでも、一部のエリート層が同様の論法で「お前らの自己責任だ」と切り捨てる一方、自分が経営を失敗しても破格の退職金をもらって退職しているという現実があります。そして会社は大勢の従業員を解雇する・・・。

見下している側のエリートは失敗しても破格の退職金を得ることができる。
見下されている側の人たちは、職を失い、エリートの失敗を負担する。
普段見下しているくせに、失敗した結果は負担しない。むしろ負担させられる。それは怒るでしょう。
トランプ氏への投票行動の裏には、こう言う背景があるのではないかと私は考えています。

自分の利益を誘導するように語るのも”ポジショントーク”ですが、自分の今の立場を背景に”マウント”してくるのも”ポジショントーク”です。今回は後者のポジショントークではないかと思いました。

この本の著者のように、いわゆる成功者が”マウント”するので、それが反感を買って分断が進むのではないかと思いました。

以上、今回本を読んでモヤモヤしたので自分なりに整理しました。スッキリ!

(余談)日本版エリートの失敗例

ちなみに、「エリートの失敗を一般従業員が負担する」ということは、日本でも日産で起こりそうです。
経営に失敗して辞任する内田誠社長はじめ4人の役員は約6億4600万円の退職金を得て日産を去りました。(ちなみに経営に”失敗”した内田社長の2023年度の役員報酬は6億5700万円だったそうです)
そして日産の失敗は、2万人の人員という形で一般従業員が負担するそうです。(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/88579

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