十の位が同じ数字でできた2桁の数字のかけ算のテクニックがあります。
片方の数字の一の位の数字を、もう片方の数字に渡して、キリの良い十の位にして計算するテクニックです。
さらにそこから1桁同士のかけ算の値を足しますが・・・。
普通に計算するより楽に計算ができます。(暗算も可能!)
例えば、”27 x 21″という十の位が同じ”2″でできた2桁の数字のかけ算を見てみます。
“21”の一の位、”1″をもう片方の”27″に渡しちゃって、キリの良い”20″という数字にします。
27 x 21 → 28 x 20 = 560
“28 x 20″であれば暗算でも、”560″という数字を算出できます。
それとは別に、元の数字の一の位同士のかけ算を行います。
つまり今回の例で言えば、”27″の”7″と”21″の”1″をかけ算します。
7 x 1 = 7
最後に、上記2つの計算で求めた”560″と”7″を足します。
560 + 7 = 567
これが答えです!
なぜこれが成立するか、見てみましょう。
「十の位が同じ2桁の数字のかけ算」を式で表すと下記の通りとなります。
(10a + b)(10a + c)
何かの数字aに10を掛けたものが、2桁の数字です。つまり、”10a”。
そして、2つの数字は別の1桁の数字”b”と”c”を持っています。
これのかけ算が上記の、
(10a + b)(10a + c)
です。
この式を展開すると、下記になります。
(10a + b)(10a + c) = 10a^2 + 10ab + 10ac + c
(^は、”べき乗”を表します。つまり、”a^2″は、”aの二乗”です。)
では一の位を渡したり、元の数字の一の位同士を掛けてそれを足したりして、答えが同じになるか、こちらの計算を同じく記号を使った式で見ていきましょう。
「片方の数字の一の位の数字を、もう片方の数字に渡して、キリの良い十の位」にするというのは、式で表すと下記のようになります。
(10a + b)(10a +c) → (10a + b + c)10a
左の数字「10a + b」に右の数字の一の位、”c”が渡されたのでこれを足すと「10a + b + c」の形になります。
一方、右の数字の一の位”c”は、渡してしまって消えるので、”10a”が残ります。この”10a”のみが残った状態が、”キリの良い十の位”です。
これを展開すると、
(10a + b + c)10a = 100a^2 + 10ab + 10ac
そして、「元の数字の一の位同士を足したものを、上記で計算した数字に足す」ということを式に加えます。元の数字の一の位は、”b”と”c”で表していましたね。つまり、下記になります。
100a^2 + 10ab + 10ac + bc
これが、式で表した答えです。
最初の式、”(10a + b)(10a +c)”を展開したときも、答えは”100a^2 + 10ab + 10ac + bc”でした。
(10a + b)(10a + c) = 10a^2 + 10ab + 10ac + c
同じ式が答えとして残った、ということはこの方法で解いた答えは正しいという証明になります。
“十の位が同じ数字でできた2桁のかけ算”という条件付きですが、答えをより簡単に導くことができます。
方法は、以下のとおりです。
- 片方の数字の一の位の数字を、もう片方の数字に渡す。
- 上記1の結果できた2つの数字を掛ける。
- 元の数字(上記1を行う前)の一の位同士のかけ算を行う。
- 上記2と上記3の答えを足し合わせる。
慣れれば簡単なのかもしれませんが、手順がちょっと手が込んでて、大変そうですね。
以上、数字遊びとして学んだやり方をまとめてみました。
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