経済情報・企業情報などお金に関する情報を読み解く際、簿記の知識は必要不可欠な社会となっています。
そんな簿記はいつ、どうやって生まれたのか?
調べてみました。
ちなみに簿記といえば通常、複式簿記のことを指します。
複式簿記に対する単式簿記は、いわゆるお小遣い帳のようなもの。取引ごとにお小遣いがいくら増えていくら減ったか、せいぜいそれに合わせて残高を足し算・引き算して記録するものです。
以下、簿記という場合「複式簿記」として言及します。
簿記の出身地はイタリア。生まれは15世紀。
簿記が誕生したのは15世紀のイタリア。
当時は東方貿易が盛んでした。アジアから輸入する香辛料は貴族からかなり大きい需要がありました。
しかし当時の航海は大変危険なもので、航海中に海賊に襲われたり、悪天候にあって船が沈没したりするなどリスクもありました。
この「リスク」という言葉も、勇敢に航海に乗り出す船乗り「リズカーレ(risicare)」から、意味が派生して「勇気ある者」の意味で用いられるようになり、次第に現在使われる意味での「リスク」という言葉となったそうです。
危険(リスク)を冒した先に手にする大きな儲け(リターン)。今の投資と同じですね。
それでも大きすぎるリスクをなんとか抑えたいと考えるのもまた、投資家心理でしょう。
商人たちが商売するのは東方貿易に限りませんが、現金を持って移動するリスクがあることに変わりはありません。
そこで登場するのがバンコ(Banco)、Bank(銀行)の語源となる人たちです。
バンコのサービス
Bancoはイタリア語で「机」を意味する言葉で、机の上でお客さんとお金のやりとりすることから、こう呼ばれるようになったそうです。
商人たちが現金を持って移動するリスクを減らすため、バンコは為替手形取引サービスを提供しました。
為替手形取引では、入金・出金を行う人物や場所、時間に囚われることなくお金を移動させることができます。取引する国が違えば、バンコは通貨の両替などで手数料を稼ぐこともできました。
次第にバンコの両替・決済のネットワークはヨーロッパ各都市に広がり、イタリア商人は自由に商売することができるようになりました。
バンコの融資と記録の必要性
両替・決済サービスを提供するバンコにはお金が集まってくるようになります。
そのバンコからイタリア商人は融資を受けるようになりました。バンコから受けた融資を元手に仕入れ、販売したお金で返済という流れができます。
現在も同じですが、融資が受けられなければ、元手がない多くの人は商売を始めることができません。
バンコの登場で経済は大きくなります。
取引の数が多くなると記憶に頼っているわけにはいきません。
また、バンコは各地に支店があり、それぞれの支店の融資・回収・為替手形の発行・決済を記録として共有する必要もありました。
こうしてその必要性から帳簿および簿記の技術が誕生することになりました。
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