2019年、広島選出の国会議員・河井克行元法務大臣が、妻の参議院選挙活動を応援するため、広島県議や広島市議を買収する大規模買収事件がありました。賄賂を送った側の河井夫妻は逮捕・起訴され、有罪判決が下りましたが、一方で賄賂を受け取った側の人たちへの起訴はありませんでした。
その検察の判断に対し、検察審査会が「ノー」を突きつけたのです。
(広島県議・市議ら35人「起訴相当」 辞職の市町議ら46人「不起訴不当」 河井夫妻事件で現金受領 検察審査会議決)
河井夫妻選挙違反事件のニュースを通して、検察審査会とは?そもそも検察とは?を調べてみました。
以下、私の解釈であることをあらかじめご了承ください^^;
「黄金のお菓子」を受け取るのは違法じゃない!?
賄賂は、送るのも違法ですが、受け取るのも違法です。
「お主も悪よのう」「いえいえお代官様ほどでは」
そう、かの有名な悪代官と越後屋も悪いことと分かった上で、「黄金に輝くお菓子」を送り・受け取っていたのです。
賄賂が送る側だけ違法なのであれば、越後屋は処罰され、悪代官はそのまま代官職に留まり続けることになります。
今回の河井夫妻選挙違反事件でも、河井夫妻は国会議員を辞職・失職しましたが、受け取った側の地方議員の多くがその職に留まり続けています(2022年1月29日時点)
司法取引があった?
今回の事件、検察は大物政治家である河井夫妻のみ起訴、受け取った側の小者政治家を不問に付しました。「司法取引のようなものがあったのでは?」と巷では言われています。
アメリカのように、制度として「司法取引」あれば何の問題もないと私は思います。制度の良し悪しは検察が決めるものではありません。決められた制度・法律に基づいて運用・判断するのが検察の仕事だと思います。それを、ない制度を自分の勝手で運用するなど、法治国家にあるまじき行為だと私は思います。どこぞの独裁国家や「事実上の一党独裁国家」のような行為ではないでしょうか。
今回の検察審査会の判断は、検察の怠慢を防いだと言えるのではないでしょうか。
そもそも検察・検察審査会とは?
そもそも「検察審査会」とは何でしょう?
その前に「検察」とは何でしょう??
「検察」とは、「犯罪について公訴の提起(起訴)・公判の維持を行う機能・機関のこと」です。
わかりやすく言うと、「裁判長!この人がこんな犯罪をしました!有罪にしてください!○年の懲役に処して下さい!」と裁判所に対して審判(判断)を仰いで裁判を開いてもらうことですね。
また、それを起こす権利を持った機関(検察庁)のことを単に「検察」と言ったりします。
検察から犯人だとされ、訴えを起こされた人(被告人)は弁護士に弁護してもらいます。
裁判官は検察官・弁護人双方の主張を聞いて、「有罪or無罪」、有罪の場合、「量刑(懲役○年とか)」を判断します。これが刑事裁判(犯罪事件に対する裁判)ですね。
刑事事件(犯罪事件)について起訴することができる「公訴権」は、検察官の独占権です。(私たちが誰かを訴えて開かれる裁判は「民事裁判」です)
今回のような検察の怠慢な判断があったとき、悪いことをした人が検察の匙加減一つで無罪放免となる危険性があります。
これを防ぐため、「検察審査会」が開かれ、検察の判断ははたして妥当だったのかを話し合います。
「検察審査会」は公訴権に民意を反映させるため、無作為(ランダム)に市民から11人選ばれます。
今回のニュースは、検察審査会のチェック機能がうまく働いたと言えるのではないでしょうか。
コメント